●楽天SCHD設定1年間の運用実績(リスク・リターン)が更新
●市場平均と比べてかなり悪く、リスクの割にリターン少ない
●高配当株ゆえの成長性の低さ、分配金重視、短期間などが要因か
楽天SCHDの運用実績(リスク・リターン)が更新!

楽天SCHDが設定1年を経過し、9/19付で運用実績が更新されたので紹介します。

運用実績?何でしょう。

楽天証券HPにある「リスクリターン(税引前)詳細」です。
画面はこちら。


うげえ、いつも以上にワケわからん🌀

安心してください、私もわかってません。
1年間の運用実績をまとめた数字だと思ってください。

しかしまあ、下に行くほど聞いたことない言葉ですな。

各パフォーマンス(指標)の内容をまとめますね。
| 指標 | 1年実績 | 内容 |
| リターン(年率) | 2.41% | 年単位での収益率 |
| リターン(年率) 楽天証券分類平均 | 18.32% | 楽天証券分類ごとの平均値 |
| リターン(期間) | 2.41% | 実際の期間における収益率 |
| リターン(期間) 楽天証券分類平均 | 18.32% | 楽天証券分類ごとの平均値 |
| リスク(年率) | 15.90% | 価格変動の大きさ |
| リスク(年率) 楽天証券分類平均 | 17.97% | 楽天証券分類ごとの平均値 |
| ベータ(β) | 0.73 | 市場全体との連動性 |
| 相関係数 | 0.83 | 比較対象との連動性 |
| アルファ(α) | -14.81 | 市場平均を上回る運用成果 |
| トラッキング エラー(TE) | 10.09 | 市場平均との乖離(かいり)度 |
| シャープレシオ (SR) | 0.20 | リスクに対するリターンの効率性 |
| インフォメーション レシオ(IR) | -1.47 | 市場平均に対するリターンの効率性 |

まだ全然分からんけど、ダメそうな感じがする。

だいぶダメそうです💦
もうちょっと掘り下げますね。
【運用実績①】リスク・リターン指標

まずは表の上部、リターンとリスクについて。

その前に質問。
リターンの年率と期間の違いって何?どっちも同じ数字だけど…。

年率は年単位での平均的な収益率を、期間は実際(今回は1年間)の収益率です。
楽天SCHDは設定1年経ったばかりなので、年率=期間となります。
また、分類平均は「米国株式・為替ヘッジなし」です。
| リターン | 2.41% | マイナスは損失を意味する |
| リターン 楽天証券分類平均 | 18.32% | 米国株式・為替ヘッジなし |
❓為替ヘッジ
・海外資産への投資時に発生する為替変動リスク(円高・円安による損失や利益)を回避する仕組み
・この仕組みにはコストが発生、為替ヘッジなしは変動リスクを受け入れる分コストが不要となる

いやいやいやいや。
リターン低すぎない?

そうなります…。
要因は後で解説しますので、次行きますね。
| リスク | 15.90% | 年率のみ |
| リスク 楽天証券分類平均 | 17.97% | 米国株式・為替ヘッジなし |

ん?
リスクが平均より低いってことは、安全ってこと?

そうです!
市場平均よりちょっとだけ値動きの幅が小さいって意味ですね。

それでも、やっぱりリターン低すぎるわな…。
【運用実績②】その他の指標

先程の表の下部についてです。
指標の説明も記載しますね。
| ベータ(β) | 0.73 | 市場とどれくらい一緒に動くか |
| 相関係数 | 0.83 | 市場とどれくらい仲が良いか |
| アルファ(α) | -14.81 | 市場よりどれだけうまく運用できたか |
✅ベータ(β)
・全体の株式市場が10%上がった時、このファンドも10%上がるなら β=1
・楽天SCHDの β=0.73 → 市場よりややおとなしい動き
✅相関係数
・「1」に近いほど、仲良しで同じように動く
・楽天SCHDの 相関係数=0.83 → 市場とけっこう仲良し
✅アルファ(α)
・プラスなら「市場よりうまくやった😄」、マイナスなら「ちょっと負けた😵」
・楽天SCHDの α=-14.81 → 市場よりだいぶ負けてる💦

豪快な負けっぷりやのう。

…まあ、気を取り直して最後の指標です。
| トラッキング エラー(TE) | 10.09 | 市場平均とどれくらいズレてるか |
| シャープレシオ (SR) | 0.20 | リスクを取った分どれくらい得したか |
| インフォメーション レシオ(IR) | -1.47 | 市場平均よりどれだけうまく運用できたか |
✅トラッキングエラー(TE)
・数字が大きいほど、市場平均とズレてる
・楽天SCHDの TE=10.09 → 市場とけっこうズレてる
✅シャープレシオ(SR)
・プラスなら「リスクを取ったかいがあった😆」、マイナスなら「リスクの割に得してない😭」
・楽天SCHDの SR=0.20 → ほぼ得してない
✅インフォメーションレシオ(IR)
・プラスなら「うまくやった😏」、マイナスなら「効率悪かった😟」
・楽天SCHDの IR=-1.47 → 効率悪かった⤵

良い数字が一つも無いけどさ、他のファンドはどうなの?
何かしら比較しないとダメじゃない?

やりましょうか?
同じ分類(米国株式・為替ヘッジ無し)の「楽天・プラス・S&P500」と比べます。

1年間の運用実績比較
| 指標 | 楽天SCHD | 楽天S&P500 | 備考 |
| リターン(年率) | 2.41% | 21.62% | 高いほど良い |
| リターン(年率) 楽天証券分類平均 | 18.32% | 18.32% | |
| リターン(期間) | 2.41% | 21.62% | 高いほど良い |
| リターン(期間) 楽天証券分類平均 | 18.32% | 18.32% | |
| リスク(年率) | 15.90% | 18.32% | 低いほど良い |
| リスク(年率) 楽天証券分類平均 | 17.97% | 17.97% | |
| ベータ(β) | 0.73 | 1.02 | 1より高いと優秀 |
| 相関係数 | 0.83 | 0.99 | 1に近いほど市場と仲良し |
| アルファ(α) | -14.81 | 2.83 | +なら市場平均より良い |
| トラッキング エラー(TE) | 10.09 | 2.41 | 低いほど良い |
| シャープレシオ (SR) | 0.20 | 1.13 | +ならリスクに対し効率的 |
| インフォメーション レシオ(IR) | -1.47 | 1.18 | +なら市場平均に対し優秀 |

えーっと、完敗ってことで。

細かい条件あれど、相手が強すぎましたね。
続いて楽天SCHD低成績の要因をまとめます。
【高配当株の宿命?】低成績の推定要因3選

非常に残念な運用実績となった楽天SCHD。
考えられる要因を3点挙げます。
1️⃣投資対象の性質
・高評価株ETF「SCHD」をベースにしており、成長性より安定した判断を重視する企業が多い
・S&P500や他の指数と比べて上昇が控えめで、リターンが低めになる傾向がある
2️⃣分配金重視の設計
・四半期ごとに分配金を出しており、その分基準価額が下がるためトータルリターンが伸びにくい
・再投資型でない場合、複利効果が働きにくいのも一因
3️⃣運用開始からの期間が短い
・設定から1年と運用期間が短く、一時的な市場変動の影響を受けやすい
・長期的な評価がまだできない段階

確かに、色々事情はあったんだろうとは思えるねえ。

比較したS&P500は再投資型で配当金も無しですからね。
ただ、いずれにせよ楽天SCHDが低成績なのは明らかです。
あと2年後、設定来3年間の成績では挽回してくれることでしょう!

V字回復を願うばかりですな!
まとめ
●楽天SCHD設定1年間の運用実績(リスク・リターン)が更新
●市場平均と比べてかなり悪く、リスクの割にリターン少ない
●高配当株ゆえの成長性の低さ、分配金重視、短期間などが要因か

楽天SCHDの1年間運用実績の紹介でした。
見慣れない言葉が多かったですが、その分勉強になりました。

いつもより悲観的な数字が多かったけどね!

ホント悲しくなりました…。
では、最後にクイズです。
楽天SCHDの「トラッキングエラー」が大きい時は何を意味している?

設定来1年間の成績は良くなかったですが、
一旦沈んでからの上がりっぷりを信じて推し続けます!ではまた!


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