SCHDの停滞とVYMの復活。明暗分かれた人気ETFの違いを分析。

楽天SCHD

●基準価額の年初来チャートで、楽天SCHDは-4.7%、楽天VYMは+12.2%と明暗分かれた
●トランプ関税ショックに伴う市場急落→FRBの利下げにより株式へ資金流入(リスクオン)
VYMはAI・テック関連の反発により復活、SCHDはディフェンシブ銘柄が多く伸びが鈍化

【SCHD vs VYM】年初来チャートで明暗。

今回はまず、10月単月のSCHDチャートをご覧ください。


楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)



これチャートって言うんだ。
…で?



基準価額、純資産ともちょっとだけ上がりました♪


2025/10/012025/10/31増減率
基準価額10,204円10,381円+1.7%
純資産総額1,710.25億円1,715.45億円+0.3%




まあ良かったね、ってことかな。




本題はここからです。
今年1/1からの年初来チャートになると、話が変わってきます。






2025/01/012025/10/31増減率
基準価額10,894円10,381円-4.7%
純資産総額1,012.04億円1,715.45億円+69.5%




あらま。
純資産総額はかなり増えたけど、基準価額はマイナスなんだね。




そうなんですよ。
更に、同じ米国高配当ETFである「楽天VYM」の年初来チャートはこうなってます。
以前こちらで紹介しました。




楽天・高配当株式・米国VYMファンド(四半期決算型)
※2025/03/05からの設定来チャート


2025/03/052025/10/31増配率
基準価額10,000円11,223円+12.2%
純資産総額5.57億円27億円+485%



…めっちゃ伸びてますねえ。



比較するとこうなります。


楽天SCHD楽天VYM
期間2025/01/01~10/312025/03/05~10/31
基準価額10,894円 → 10,381円
-4.7%
10,000円 → 11,223円
+12.2%
純資産総額1,012億円 → 1,715億円
+69.5%
5.57億円 → 27億円
+485%



やっぱりSCHDの基準価額マイナスが目立つなあ。



ホントですね。
月次レポートから比較してみます。




【レポート比較】防御重視のSCHDと金融メインのVYM。

楽天SCHD・楽天VYMの月次レポートを比較します。
まずは銘柄数と上位10銘柄。


左:楽天SCHD月次レポート(2025年9月)
右:楽天VYM月次レポート(2025年9月)




銘柄数がだいぶ違うね!



5倍以上ですからね。
続いてセクター構成です。





なぜ違う表現を…?



先程の銘柄数・上位銘柄と併せてまとめます。



楽天SCHD vs 楽天VYM(2025年9月末時点)

✅基本情報

楽天SCHD楽天VYM
設定日2024年9月18日2025年3月5日
決算日年4回(2、5、8、11月の各25日)年4回(1、4、7、10月の各15日)
信託報酬年0.1238%年0.192%
投資対象シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)


✅銘柄数・上位10銘柄

楽天SCHD楽天VYM
銘柄数103579
1️⃣アッヴィ
ヘルスケア
4.4%
ブロードコム
テクノロジー
6.7%
2️⃣ロッキードマーチン
資本財
4.1%
JPモルガン
金融
4.1%
3️⃣シスコシステムズ
情報技術
4.1%
エクソンモービル
エネルギー
2.4%
4️⃣ベライゾン
コミュニケーション
4.0%
ジョンソン&ジョンソン
ヘルスケア
2.1%
5️⃣コノコフィリップス
エネルギー
4.0%
ウォルマート
一般消費財
2.1%
6️⃣メルク
ヘルスケア
4.0%
ホームデポ
一般消費財
2.0%
7️⃣アムジェン
ヘルスケア
4.0%
アッヴィ
ヘルスケア
1.8%
8️⃣ホームデポ
一般消費財
4.0%
プロクター&ギャンブル
生活必需品
1.8%
9️⃣アルトリア
生活必需品
4.0%
バンクオブアメリカ
金融
1.7%
🔟シェブロン
エネルギー
3.9%
シェブロン
エネルギー
1.5%


太字は重複銘柄です。
アッヴィ、ホームデポ、シェブロンの3つですね!




✅セクター構成

楽天SCHD楽天VYM
1️⃣エネルギー
19.3%
金融
21.7%
2️⃣生活必需品
18.5%
資本財
13.2%
3️⃣ヘルスケア
16.1%
テクノロジー
12.2%
4️⃣資本財
12.3%
ヘルスケア
12.1%
5️⃣金融
9.4%
一般消費財
10.3%
6️⃣一般消費財
8.5%
生活必需品
9.6%
7️⃣情報技術
8.3%
エネルギー
8.7%
8️⃣コミュニケーション
4.7%
公益
6.3%
9️⃣素材
2.9%
通信サービス
3.9%
🔟公益
0.0%
素材
2.1%


VYMのセクターは金融がダントツ、次いで資本財とテクノロジーか。



これらを踏まえて、明暗が分かれた原因を探ります。




【トランプ関税後に明暗】AI・テック関連上昇、ディフェンシブ停滞。

明暗分かれた主な要因は、トランプ関税後にあるようです。



確か、4月にガクンと下がったよね。
その後ってこと?



はい。楽天VYMの上位3銘柄は設定来変わっていません。
それぞれの株価(年初来チャート)をご覧ください。




🥇ブロードコム(AVGO)



🥈JPモルガン(JPM)



🥉エクソンモービル(XOM)


3つとも上がってるね!



特に1位のブロードコムが年初来+60%近くと大幅に上昇してますね!
VYMの成長をけん引したと考えられます。




じゃあさ、SCHDの主な銘柄はどうなんだろう?




SCHDは銘柄の変動が多いので、4月以降のTOP1🥇のみ紹介します。


4月・5月:コカ・コーラ(KO)



6月:テキサスインスツルメント(TXN)



7月:コノコフィリップス(COP)



8月:シェブロン(CVX)




9月:アッヴィ(ABBV)



う~ん、確かにパッとしないねえ。



直近のアッヴィこそ+20%超えですが、テキサスインスツルメントとコノコフィリップスは年初来マイナスですからね…。



トランプさんの関税後に結局何が変わったんかな?




AI・半導体などを中心に株価が回復したこと、他にはFRB(米国中央銀行)の利下げも影響していると思われます。



FRBが政策金利を引き下げ

資金調達がしやすくなるため、株式などのリスク資産に資金が流れる(リスクオン)

株価上昇、特にAIや半導体などのハイテク株が市場をけん引

テクノロジー比率が高いETF(VYMなど)は恩恵を受けやすい一方、
ディフェンシブ寄りのETF(SCHDなど)は取り残されやすい



まあでも、VYMにもエネルギーセクターあるよね。
エクソンモービルだっけ?あとシェブロンも。



そうですね。
エクソンモービルとシェブロンは年初来プラスでしたが、コノコフィリップスはマイナスと同一セクターでも差が出ました。




その辺はバランス考えて欲しいよね!




まあ、下がった分の反動で大きく伸びることを期待しますよ。



まとめ

●基準価額の年初来チャートで、楽天SCHDは-4.7%、楽天VYMは+12.2%と明暗分かれた
●トランプ関税ショックに伴う市場急落→FRBの利下げにより株式へ資金流入(リスクオン)
VYMはAI・テック関連の反発により復活、SCHDはディフェンシブ銘柄が多く伸びが鈍化

改めて、楽天SCHDと楽天VYMの年初来チャートを見てみます。
ブロードコム(AVGO)と楽天VYMの推移が非常に似てますね。




📉楽天SCHD年初来チャート



📈楽天VYM年初来チャート


🥇ブロードコム(AVGO)




でもさ、純資産総額は楽天SCHDが圧倒してるよね!



1,700億と27億ですもんね✨
伸びは鈍化しつつも、やっぱり人気はあるんですよ。




運用の方はもうちょっと頑張ってもらいましょう♪



では、最後にクイズです。


クイズアイコン 楽天SCHDと楽天VYMのセクター構成で、より「金融」比率が高いのはどっち?
A. 楽天VYM
B. 楽天SCHD
C. 同程度
D. 金融株はどちらも含まれない


楽天VYMには劣後してますが、変わらず楽天SCHDを推し続けます。
ではまた!

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