●イスラエルによるイラン空爆により、米株は全面安の展開
●SCHDは「守備力の高いETF」!
●主要セクターの動きと今後の見通しを整理
イスラエル・イラン衝突と株式市場の反応

6月13日に、イスラエルがイランを空爆したという衝撃のニュースがありました。

…うん、そうだけど急にどうした?
関係なくない?

いやいや、米国株式市場に影響大です。
米国株、ダウ反落し769ドル安 地政学リスクの高まりで ナスダックも反落
米国株、ダウ反落 一時800ドル安 中東の緊迫化でリスク回避の売り
✅中東情勢の緊迫化
・イスラエルがイラン国内の核・軍事施設を100ヶ所以上空爆
・イランはドローンで報復、イスラエルが迎撃 → 中東情勢が急激に悪化
・米国との核協議も中断、長期化の可能性
✅原油価格の急騰
・ダウ平均:−769ドル(1.79%下落)
・ナスダック:−255ポイント安(ハイテクも弱い)
・原油高(77ドル台)、金は高騰=リスクオフ+インフレ警戒

そういうことか…。
色々怖いし、いいこと無いね。

ホントそうです。
ただ、SCHDはこうした「地政学リスク」に対する守備力が注目されそうです。

地政学リスク?何それ?

国際情勢の不安定さが経済や社会、企業活動に大きな影響を及ぼすリスクです。
✅地政学リスク
・特定の地域や国の「地理的な条件」と「政治的・軍事的な緊張や対立」によって生じる、経済や社会、企業活動などへの不確実性や損失の可能性
・主な事例は、国家間の武力衝突や戦争/テロや内戦/経済制裁や貿易障壁/クーデターや大規模な抗議デモなど
✅具体的な影響
・原油や金の価格が急騰し、金融市場が大きく動揺
・株式市場ではリスク回避の動きが強まり、世界的に株価が下落
・イランのガス田などエネルギーインフラにも攻撃が及び、供給不安が拡大
・アメリカとイランの核協議が中断されるなど、外交面にも影響
✅企業や社会に与える影響
・現地での事業活動の中断や撤退
・サプライチェーンの寸断によるコスト増や供給不安
・市場の縮小や競争環境の変化
・世界的なインフレやエネルギー価格の高騰

やっぱり悪影響しかない…。

では次に、SCHDに関する影響をまとめます。
SCHDは有事に強い?主要銘柄の動き

実は、先程の日経新聞記事にSCHDの主要銘柄が2つ載ってました。
「ロッキードマーチン」と「シェブロン」です。

あら、気づかなかった。

そして、どちらの株も空爆後の株価は上がっています⤴


1日2日でどうこうって話じゃないけど、確かに上がってるね。

ロッキードマーチンは航空宇宙・防衛大手企業で、軍用機などを製造しています。
シェブロンはエネルギーですね!どちらもSCHDの上位10銘柄に入ってます。

なるほど。他はどうなんだろう?

主要銘柄をざっくりまとめますね!
銘柄 | 影響 | 概要 |
コノコフィリップス | ⬆️ 上昇 | 中東リスクで需給引き締まりが追い風 |
コカ・コーラ | ➡️ 横ばい | ボラティリティ時の資金避難先、堅実に買われやすい |
ベライゾン | ⬇️ やや下落 | 利回り魅力ありも、通信設備投資減速の可能性あり |
ロッキードマーチン | ⬆️ 上昇 | 国防関連のため、軍事的緊張では買われやすい |
シェブロン | ⬆️ 上昇 | 原油高でメリット大、パフォーマンス上昇要因 |

エネルギーは不調と言われていたけど、有事には強いってことかな。

そう言えると思います。
原油高による下支えや、ロッキードマーチンのような防衛銘柄がリスクヘッジとして機能していると予想します。

生活必需品やヘルスケアも不景気に強いからね!

分散が効いていることに加え、比較的安定していることもSCHDの強みかと。
主要セクターの現状分析と中期予測

改めて、SCHD主要セクターの現状と今後を予測してみます。
対象は月次レポートの上位4セクターです。


全部10%超えだね。

合計で66%、全体の2/3ですね。
以前は金融がトップでしたが、だいぶ落ちました。
🥤生活必需品セクター
✅現状
・SCHDの中で最も安定性の高いセクター
・コカ・コーラ、アルトリア、ペプシコなどが上位に集中
・米インフレ鈍化傾向でも、価格転嫁力+安定需要あり
✅中期予測
・景気減速局面で、他セクターが下がっても買われやすい
・ただし、成長性に欠けるため株価の上昇余地は限定的
・利上げ停止+ドル高修正なら、外需銘柄として恩恵を受ける可能性
✅投資視点
・「守り」のセクター。暴落時に強く、利回りも安定
・配当目当ての長期保有層が支える底堅さが魅力
⛽エネルギーセクター
✅現状
・原油価格は中東情勢で上昇中
・コノコフィリップス・シェブロンなどがSCHDで約4〜5%ずつ占有
✅中期予測
・OPEC+の供給制限+地政学リスク→原油価格の底堅さが続く見通し
・米国エネルギー企業の株主還元姿勢(配当+自社株買い)も高評価
・原油価格が下振れした際の影響も大きく、全体でのバランス注視が必要
✅投資視点
・高配当+キャッシュフロー良好→引き続きSCHDの中核的セクター
・急上昇しすぎた後の反動や業績反落には注意
💊ヘルスケアセクター
✅現状
・アッヴィ、アムジェン、メルクなどの製薬大手が中心
・メルクは2025年リバランスで一時除外→再構成で復活、5月時点で上位
✅中期予測
・高齢化社会と薬価の安定で長期的に需要は堅調
・政策リスク(薬価引き下げ議論)はあるが、業界大手は多角化・自社株買いが強み
・株価は地味だが、不況でも売上安定+増配傾向あり
✅投資視点
・ディフェンシブ&高配当という意味でSCHDの中核的役割
・医薬品よりも「配当成長ストーリー」で評価される銘柄が選ばれている
🏭資本財・サービスセクター
✅現状
・ロッキードマーチンが主軸、リスク分散上のポイント銘柄
・地政学リスクの高まりにより、2024〜2025年はパフォーマンス好調
✅中期予測
・米国・NATOの国防費拡大→防衛関連受注が堅調
・ロッキードマーチンのような大型企業は、連邦政府との長期契約で安定収益を確保
・市場全体の下落時に「逆行高」するケースもあり
✅投資視点
・SCHDでは珍しい、リスク対応型の攻め銘柄
・増配+キャッシュフローもあり、不測の有事対策として注目される
セクター | 安定性 | 成長性 | 注目ポイント |
🥤生活必需品 | ◎ | △ | 景気後退下での再評価 |
⛽エネルギー | △ | ◎ | 原油価格、地政学リスクの動向 |
💊ヘルスケア | ◎ | ○ | 増配・高齢化・政策リスク |
🏭資本財・サービス | ○ | ○ | 地政学的緊張、国防支出の拡大 |

中東情勢が長期化しても、安心材料が多いSCHDは大丈夫そうだね!

トランプ大統領の言動で市場が大きく揺れる可能性もあります。
個別・セクターそれぞれを長期的に注視したいですね!
まとめ
●中東情勢が緊迫、米株は全面安の展開もエネルギー・防衛は堅調
●SCHDは有事に強いディフェンシブ+高配当銘柄が多く、高い守備力を発揮
●中東情勢や金利動向に応じて、セクター配分を定点観測することが重要

SCHD低迷の原因と言われたエネルギーが、今後は伸びていくかもね!

とは言え、地政学リスクは低くあって欲しいものです…。
では、最後にクイズです。


地政学リスクにおいて、中長期では構成の質で差が出るようです。
SCHDが今後どう変化するか、セクター傾向も含めてウォッチします。
ではまた!
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