●巨大石油企業「スーパーメジャー」を改めて紹介
●エネルギーセクターの最新動向と企業戦略について
スーパーメジャーの概要と歴史

今回は、「スーパーメジャー」の概要と最新情報の紹介です。

どデカい石油企業だったっけ?

そうです。下記6社で構成、シェブロンとコノコフィリップスがSCHD銘柄に含まれています。
🛢スーパーメジャー
名称 | 本社 | 設立 | 特徴 |
エクソンモービル (ExxonMobil) | アメリカ・テキサス州 | 1999年(合併) | 世界最大級の石油企業。高配当・安定経営・グローバル展開 |
ロイヤル・ダッチ・シェル (Royal Dutch Shell) | イギリス・ロンドン | 1907年 | 再エネ転換を進める一方、石油資産も強力。自社株買いも積極的 |
BP (ブリティッシュ・ペトロリアム) | イギリス・ロンドン | 1909年 | エネルギー転換に注力するが、原油相場への影響を受けやすい |
シェブロン (Chevron) | アメリカ・カリフォルニア州 | 1879年 | 配当貴族であり、米国内のシェール資源にも強み |
トタルエナジーズ (TotalEnergies) | フランス・パリ | 1924年 | 社名変更に象徴されるように再生可能エネルギーへ注力。欧州市場に強み |
コノコフィリップス (ConocoPhillips) | アメリカ・テキサス州 | 2002年(分社) | 精製部門を切り離し上流に集中。米国内に強い資源基盤を持つ |

しかし、何で「スーパーメジャー」って言うんかな?

石油産業の発展と再編の歴史によるものですね!ざっくりまとめます。
✅スタンダード・オイルとセブン・シスターズの時代
・19世紀末、米国でジョン・D・ロックフェラーが設立した「スタンダード・オイル」が世界の石油産業を支配
・1911年にスタンダード・オイル社が独占禁止法で解体され、複数の企業に分割
・米英などの大手石油企業7社(セブン・シスターズ)がカルテルを形成
・1950年代には、セブン・シスターズが世界の石油生産の9割を支配

©chem-station.com
✅OPECの台頭とメジャーの影響力低下
・1970年代、OPEC諸国が産油国としての権利を確立し、石油価格決定権が移行
・OPEC台頭に伴い、従来の大手石油企業(メジャー)の影響力は相対的に低下
✅1990年代後半~2000年代初頭の再編とスーパーメジャー誕生
・1998年のBPとアモコの合併を皮切りに、エクソンとモービル、シェブロンとテキサコなどの巨大合併が相次ぐ
・新たな巨大企業群は、従来の「メジャー」と区別する必要が生じたことから、「スーパー(超)メジャー」と呼ばれるようになった

まあ、超巨大企業の集まりってことね!

そんなトコですね。ただ、近年は新たな再編の動きがあるようです。
スーパーメジャー同士で買収・再編の可能性?

5/4のYahooニュースに、こんな記事がありました。
✅買収検討の背景
・シェルは、BPの株価や原油価格の動向を見極めた上で、正式な買収提案を行うか判断する方針
・シェルは最近、BP買収の実現可能性やメリットについてアドバイザーと協議を進めている
✅株価の影響
・BPの株価は過去1年で約30%下落。再建計画が投資家の支持を得られず、原油価格の下落も影響
・シェルの最終的な判断は、BP株が今後も下がり続けるかどうかに大きく依存
✅合併の可能性
・シェルとBPの統合が実現すれば、石油業界史上最大級の買収案件となる
・シェルは、他社からのアプローチや買収提案を待つ可能性もあり、その状況に備える狙いもある
✅他の選択肢
・シェルが大型合併ではなく、自社株買いや小規模な買収を優先する可能性もある
・他の大手エネルギー企業もBPへの買収提案を検討中
✅企業の状況
・シェルの株価は過去1年で約13%下落し、時価総額は1,490億ポンド(約29兆円)
・BPの時価総額は560億ポンドで、長期的な業績不振に苦しんでいる

スーパーメジャーの中でも明暗が分かれてるってことか…。

そうですね。最新の2025年1~3月期決算でもその傾向が見られます。
📈シェル:予想を上回る利益を計上し、14四半期連続で30億ドル超の自社株買いを実施
📉BP:利益が48%減少し、自社株買いを7.5億ドルに縮小

あらま。もし買収・合併しちゃうとどんな影響あるんかな?

シェル・BPともイギリスですが、アメリカでも同じ動きが出るかも知れませんね。
✅市場競争の変化
・シェルとBPの統合により、両社の資源や技術が統合され、競争力が強化される可能性
→他のスーパーメジャーは市場での競争が厳しくなる?
✅業界再編の促進
・他のスーパーメジャーも同様の戦略を取る可能性が高まり、業界全体での合併・買収が加速
→業界の構造が大きく変わる?
✅投資家の反応
・シェルとBPの統合が成功すれば、他のスーパーメジャーの株主も合併や買収を求める声が高まる
→アクティビスト投資家(モノ言う株主)が介入する?
✅資源の再配分
・資源が一つの企業に集中することで、他のスーパーメジャーは資源の確保が難しくなる
→競争が激化し、資源の価格が上昇?
✅環境政策への影響
・環境への配慮や持続可能なエネルギーへの移行が加速する可能性
→他のスーパーメジャーも、環境政策に対する取り組みを強化せざるを得ない?

まだ全然仮定の話ですが、ガソリンなどの価格高騰は勘弁して欲しいところです…。
まとめ&クイズ
●石油企業は分割・再編を繰り返し、現在の「スーパーメジャー」を構成
●シェルがBPの買収を検討、エネルギーセクターの再編や投資戦略に影響を与える可能性あり

では、最後にクイズです!


最後にSCHDとくっつけてきたね♪

現在、エネルギーセクターはSCHDの中心ですからね。
業界再編の動きもありますが、何とか引っ張って欲しいものです。ではまた!
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