信託報酬が2階建てじゃなくなった?楽天SCHDの運用コスト最新事情。

楽天SCHD

●楽天SCHDの信託報酬、委託会社のみ1.5倍増!
●一方「ファンド・オブ・ファンズ」が消滅、2階建てじゃなくなった
●結果的にトータルの運用コストは引き下げ

【1.5倍】委託会社の信託報酬のみ引き上げ?

楽天SCHDの信託報酬引き下げについて、2点気になりました。
下図の赤枠青枠です。



「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」
約款変更(ファンド名称変更・監査報酬の負担に関する変更・信託報酬率引下げ)等のお知らせ


…ああ、赤枠の委託会社は数字上がってるのか。


そうなんです。数値で0.0289%の増、率にすると1.52倍になってます。


名称/会社名年率
←旧)
数値
委託会社
楽天投信投資顧問
0.0839%←0.055%+0.0289%1.52倍
販売会社
楽天証券
0.0179%←0.055%-0.0371%0.32倍
受託会社
三井住友信託銀行
0.022%←0.022%±0.0%1.00倍
投資対象とする投資信託証券
における報酬
0.00%←0.06%-0.06%
全体0.1238%←0.192%-0.0682%0.64倍


これ見ると、委託会社だけ増えててズルいんじゃない!


増えた理由が、投資対象とする投資信託証券における報酬の部分です。



【消滅】信託報酬が2階建て?「ファンド・オブ・ファンズ」とは?

まあ、青枠は0.06%が0.00%…なくなっちゃったね。
そもそもコレって何?


「投資対象とする投資信託証券」とは、米国の本家SCHDのことです。
楽天SCHDは、米国SCHDそのものに投資する日本国内のファンドです。
なので、投資対象である米国SCHDの中でも信託報酬がかかっていたわけです。



日本とアメリカ、両方にかかってたってことか…。


こうした、投資信託が別の投資信託やETFを買って運用する形式「ファンド・オブ・ファンズ」と呼びます。
でも、楽天SCHDは今回の引き下げでゼロになり、消滅しました!



✅ファンド・オブ・ファンズの信託報酬は「2階建て」

🏠上の階投資家が買っている投資信託の信託報酬0.1238%←0.132%
🛌下の階そのファンドが投資しているETFの信託報酬0.00%←0.06%

下の階にかかる報酬が「投資対象とする投資信託証券における報酬」



2階建てじゃなくなったけど、委託会社の取り分は増えてるんよね?


その分、委託会社の楽天投信投資顧問の役割が重要になりました。



✅委託会社(楽天投信投資顧問)の役割変更
・これまでは、米国SCHDを「そのまま買って保有する」だけ
・楽天投信の仕事は少なく、取り分(報酬)も少ない(0.055%)

・今回の変更で、2階建ての下の階(米国SCHDの信託報酬0.06%)が消滅
楽天投信の役割(商品設計・運用調整)が増し、報酬の配分が見直されたと推測


まあ、報酬増えた分ちゃんと仕事してくれればOKだね!


増えたと言っても+0.0289%ですからねえ…。
大変でしょうが、頑張ってほしいものです。



【改善】投資家にとっては、実質コストの低減+管理体制の強化

結局、トータルでは下がってるんよね?


そうです!
前回も書きましたが、楽天SCHDの信託報酬は0.192%から0.1238%になりました。


✅トータルコストは減少、Win-Winの関係

委託会社(楽天投信)自社の工夫や努力が報われて、収入アップ👍
投資家全体のコストが下がって嬉しい🙌


間接的にかかっていた米国SCHD側のコストを、楽天側が吸収・最適化することで一本化されたと見られます。
合計コストは下がっており、投資家にとっては「改善」といえるでしょう。


イイ話だね!あとはライバルとの競争か。


そうですね!
SBIとの競争、運用体制維持などホント大変でしょうが、推し甲斐もあります🌸



まとめ

●楽天SCHDにおいて、委託会社(楽天投信)の役割が増し、信託報酬も増加
●「ファンド・オブ・ファンズ」が消滅、米国SCHDのコストがゼロに
●トータルの運用コストは0.192%→0.1238%へ引き下げ

最後にクイズです!


クイズアイコン ファンド・オブ・ファンズで注意すべきコスト面の特徴は?
A. 信託報酬が全くかからない
B. 通常のファンドよりも為替手数料が高い
C. 運用管理費用が2重にかかる可能性がある
D. 一部のETFにしか投資できない


改めて、投資家には嬉しいニュースだったね。


次回は2回目の分配金について報告します。ではまた!

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